ピラティスって何？

今から約100年前、第一次世界大戦の最中、ドイツ人のジョセフ・ピラティスさんが負傷兵のために考案したエクササイズが今のピラティスの原形です。

幼少期、彼はくる病（幼児期の骨格異常）・ぜんそく・リウマチ熱（関節、心臓、血管、神経等が炎症で冒される）などに苦しんでいました。病気を克服するために東洋西洋問わず様々な身体訓練法やスポーツを行い10代半ばで克服、その後も研究を重ねたのです。

戦時中、寝たきりの患者のためにベッドからスプリングを取り出して器具を作り、リハビリを行いました。インフルエンザが大流行した当時、このエクササイズをしたグループだけは病気に倒れなかったといわれています。ドイツ政府からの協力要請を拒んだ彼は1926年、アメリカに渡りジムを開きます。

ダンサー・体操選手・音楽家・俳優・上流階級の人々に噂は口コミですぐに広まりました。1967年に86歳で彼がこの世を去った後も、7人の弟子を通してアメリカ各地に浸透。現在、ピラティス人口は世界で1200万人を超え、今もなお広まり続けています。

ピラティスさんは自身で考案したエクササイズをコントロロジーと呼んでいます。身体をコントロールして動かすことで、同時に心もコントロールできるようにしていくという画期的なエクササイズです。リハビリから一流スポーツ選手のクロストレーニングまで幅広く用いられ、老若男女問わず行うことができます。呼吸とともに身体を動かすことでピラティス特有の爽快感が得られ、どんな人の身体にもある潜在能力を回復し機能を取り戻すことで、日常生活をより豊かなものにすることができるでしょう。